大和自動車整備株式会社は、ベトナムをはじめとする東南アジア地域への進出を見据え、積極的に外国人材雇用に取り組む企業の一つです。現在は、ベトナム人材2名が働いており、将来の経営者候補として、自働車整備に関することだけでなく経営に関することなど幅広いスキルを身につけてもらうべく日々協働しています。今回は、「社員全員が将来的に社長になれるような教育を行う」ことをマネジメントの指針とし、自ら外国人材雇用・育成へ積極的に取り組まれている代表取締役・谷本様にお話を伺いました。▼左からナムさん、ナムさんの父、代表取締役・谷本さん、ナムさんの母【大和自動車整備株式会社】会社概要:1959年創業。和歌山県内に整備工場とディーラーを構え、「お客様に安全・安心・楽しさを与え続ける」という企業理念のもと、自働車販売、車検、修理、保険代理店事業などを行っている。業種:サービス業本社所在地:和歌山県田辺市従業員数:10名(2024年11月1日現在)外国人材雇用実績:技術・人文知識・国際業務 1名、特定技能 1名(国・地域:ベトナム 2名)■雇用前の取組や採用についてQ.外国人材雇用を始めたきっかけを教えてください。外国人材雇用に取り組み始めたきっかけとして、大きく2つあります。1つ目は、日本国内における深刻な人材不足です。メカニックの成り手が不足しており、海外の方に働きに来てもらわなければ、業界が立ち行かない状況です。2つ目は、ベトナムへの進出を見据えた人材確保です。今後ベトナムに進出し、自動車整備業や育成事業を行いたいと考えており、将来的に現地で指揮を執ってくれる「ベトナム支社長候補」として採用をしています。Q.外国人材を採用する際に、意識的に取り組んだことがあれば教えてください。内定者の来日前に、ベトナム現地にて家庭訪問を行い「責任をもって日本で育てます」とベトナム人従業員のご両親に挨拶しました。そうすることにより、安心して日本へ送り出してもらえるとともに、従業員本人にも身を引き締めて働いてもらえると思っています。加えて、多額の借金を抱えて来日する外国人材も多いことから、そうした金銭的負担を軽減できるようなサポート体制を検討したり、外国人材へ不当な額の借金を背負わせるような企業とは関わらないようにするなど、意識的に取り組んでいます。ベトナム人従業員のご実家を訪問したときの様子■内定から入社後の取組についてQ.受入れにあたり、どのような準備やサポートを行っていますか。ベトナム人材向けの社外研修に参加をしてもらったり、周囲のベトナム国籍の方を弊社に招き食事会を開催するなど、積極的に社外のベトナム人コミュニティに関わる機会を作っています。その甲斐もあってか、今では社外にも多くの知り合いができ、休日に一緒に遊びに行く友人も出来たようです。Q.外国人材を受け入れるにあたり、どのような課題がありましたか。1つ目は、住居の問題です。外国人従業員が住むことのできる場所がなかなか見つかりませんでした。そのため、今は外国人従業員2名のうち1名は、私の母親の家を貸して住んでもらっています。2つ目は、日本語学習です。最近入社をしたベトナム人従業員は、まだあまり日本語を上手に喋ることが出来ないため、日本語を教えてくれる人を探しています(※1)。自動車整備士の資格を受験するにあたり、漢字を正しく理解する必要があるため、その点でも日本語学習は今後の課題の一つです。(※1)和歌山県では、和歌山県に住む外国人のみなさま向けに無料のオンライン日本語教室を開講していますQ.外国人材の受入れにあたり、日本人従業員の反応はいかがでしたか。初めて外国人材を受け入れる際に、社員全員に「会社として海外に進出していくためには、必要な過程である」ということを話しました。もちろん最初は不安もあったと思いますが、事前の方針共有と社員らの理解のおかげで、そこまで大きな抵抗感もなく受入れが出来たと感じています。また、日常生活で外国人材と接する機会がなかった社員にとって、異文化交流という点でも良い刺激になっているのではないかと思います。実際に、社員旅行でベトナムに行くなど、ベトナム人従業員のルーツを知ろうとする良い変化がありました。社員旅行でベトナムに訪れたときの様子Q.外国人材のマネジメントで気を付けていることを教えてください。外国人従業員は、自ら「この仕事をやりたい!」と意見を言ってくれるなど、とても意欲的に働いてくれています。積極的に新しい仕事を覚える姿勢があるため、やる気の芽を摘まないように、たとえ難しい業務であっても一緒に解決方法を導き出し成長へ促せるように取り組んでいます。日本人従業員とベトナム人従業員が協働する様子■今後の展望についてQ.今後の展望について教えてください。今後は会社が掲げる100年ビジョンのもと、まずはベトナムに進出し、ゆくゆくはASEAN各国に大和自動車整備株式会社の素晴らしさを広めていきたいと考えています。そのためにも、日本と世界各国との橋渡しができる人材が必要であり、そうした会社の将来を担ってくれる、経営者候補となる人材を採用・育成していきたいです。Q.外国人材雇用を検討している企業のみなさまにメッセージをお願いします。外国人材を人手不足を解消するための単なる「労働力」として捉えるのではなく、一緒に働く「パートナー」「仲間」として捉えることが大切だと考えています。日本人を採用する際と同じように、その人自身と向き合い、自社との相性を見極めながら「この人なら一緒に頑張っていけそうだな」という方を採用することが重要だと思います。■大和自動車整備株式会社で働くマインさんよりコメント愛知県の自動車整備会社で3年間技能実習生として働いた後、大和自動車整備株式会社に入社をしたベトナム国籍社員・マインさんに、入社理由や職場環境、将来の目標についてお話を伺いました。大和自動車整備株式会社の面接の時に、谷本社長のベトナムや海外進出計画に対する熱い想いを聞き、「ここで学んでスキルを身に着け、ゆくゆくは社長がベトナムに立ち上げた会社で働きたい」と思い、入社をしました。入社後、日本人の先輩社員は色々なことを優しく教えてくれて、とても感謝しています。その中でも、お客様と話す時に「笑顔で話すことが大切」ということを学び、それから意識して取り組んでいます。今後さらに日本の良い技術やマナーを学び、将来はベトナムに戻り、谷本社長が立ち上げた新しい拠点で日本で学んだことを活かしながら働きたいです。【編集後記】雇用事例記事#03を最後までお読みいただき、ありがとうございました。会社の将来を考え海外進出を見据えた人材確保に取り組むとともに、自社で磨き上げてきた技術や知恵を活かし、海外でも人材を育成していこうと精力的に取り組まれる谷本社長の志とあたたかいお人柄がとても印象的でした。「社員全員が自立できるように」「自分を超えるくらいの社長を生み出すために」国籍問わず、社員お一人お一人と真剣に向き合われていることが伝わってきました。今後の大和自動車整備株式会社と働く従業員のみなさまの成長と発展が楽しみです。今回、記事の中でも挙がっていた「日本語学習」について、和歌山県では【和歌山県に住む】外国人のみなさま向けに無料の「和歌山県せいかつ日本語教室」を開催しています。ほかにも、「こんな制度や支援はないのかな?」といった疑問やお困り事がございましたら、ぜひWAKAYAMA外国人材雇用サポートデスクまでお問い合わせください。それでは雇用事例記事#04も、どうぞ楽しみにお待ち下さい。※本記事の内容は、取材実施時点(2024年6月28日)での情報となります。取材協力:大和自動車整備株式会社