異国の地・日本の和歌山県で、自動車整備士として活躍するベトナム出身のズイさん(写真左)と、バングラデシュ出身のオントさん(写真右)。母国を離れ、日本で働くことを決意した理由や、株式会社スズキモーター和歌山での仕事のやりがいなどを語っていただきました。和歌山県で働くお二人が語る、リアルな声をお届けします。%3Ciframe%20width%3D%22560%22%20height%3D%22315%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2F0dXnOXSUZYo%3Fsi%3D09SzOssN4SAs3PDR%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%3B%20web-share%22%20referrerpolicy%3D%22strict-origin-when-cross-origin%22%20allowfullscreen%3D%22%22%3E%3C%2Fiframe%3E憧れていた自動車整備の仕事に関わることができ、毎日やりがいと達成感を感じながら働けています──日本・和歌山県で働こうと思ったきっかけを教えてください。ズイさん:ベトナムで大学を卒業した後、仕事を探していたのですが、当時のベトナムの給料がとても低くて…。そんな中で父から「日本に留学するか、技能実習で行くか選んでみたらどうか」と提案してもらったのがきっかけです。日本は自動車産業が盛んという印象があり、自動車の技術を学びたいと思い、まずは留学という形で来日しました。来日後は日本語学校に通い、その後、株式会社スズキモーター和歌山に就職したという流れです。オントさん:もともと私は日本のアニメが大好きで、アニメを通じて日本の文化や生活に興味があったんですよね。あと、自動車も好きで、バングラデシュではスズキの自動車が多く走っていたんですよ。そこで日本で自動車に関わる仕事をしたいと思い、日本語の勉強を始めました。バングラデシュでは自動車整備分野の特定技能試験が実施されておらずビザが取れなかったので、最初は特定技能1号(農業分野)のビザで来日し、日本で自動車整備分野の特定技能評価試験を受けて合格しました。その後、株式会社スズキモーター和歌山に就職したという流れです。──株式会社スズキモーター和歌山ではどのような仕事をしているのでしょうか?ズイさん:私はサービス部門の一般整備を担当していて、主に6ヶ月点検や12ヶ月点検などの定期点検が多いですね。修理に来たお客様の話を聞いて、実際にどこに異常があるのか調べる修理対応も担当しています。自動車の分解作業や異音のチェック、エアコン修理など、整備する内容は幅広いです。オントさん:私はサービス部門の車検整備を担当しています。定められているチェック項目に沿って自動車を点検し、必要があれば修理作業を行います。──整備の仕事で、やりがいを感じる時はどんな時ですか?ズイさん:毎日同じことを繰り返すだけでなく、色々な業務に対応しないといけないところですね。クレーム処理や異音の原因調査など、毎日違う業務があって飽きることがありません。どこに問題があるのかわからない難しい依頼でも、調べるうちに原因がわかると達成感があります。お客様が自動車に色々と装飾をされていて、それが原因だった、なんてこともあります(笑)。オントさん:私は昔から自動車が好きなので、整備の現場でたくさんの自動車に触れながら働くのが本当に楽しいですね。日本で自動車整備の仕事をすることができて、本当に良かったな、と感じます。──働き始めた当初は、どんな印象を持ちましたか?ズイさん:自動車関連の専門用語が難しいと感じました。以前、スーパーのレジで働いていたことがあるので日常会話は問題なかったんですが、整備の専門用語は全く別物で…。当時私がこの会社で初めての外国人スタッフだったので、緊張もありました。お客様の対応でも日本語でどう言えば良いか悩むことも多く、先輩たちの会話やお客様とのやりとりを毎日聞いて、必死に覚えるように頑張りました。オントさん:私も、部品の名前を覚えるのに苦労しましたね。日本語にしかない用語や、カタカナの部品名が多くて覚えるのが大変です。なので、わからない言葉が出てきたらすぐメモを取って自分の工具箱に貼り、すぐ確認できるようにしています。最初は不安でしたが、先輩たちが簡単な言葉でわかりやすく説明してくれるので、本当に助かりました。少しずつ難しい言葉も教えてくれているので、今は幅広く理解できるようになりましたね。──周りのスタッフがしっかりサポートしてくれたんですね。ズイさん:そうですね。とても親切に教えてもらえました。たとえば、日本語での表現が少し変な時には「こう言った方が自然だよ」と丁寧に教えてくれたり。オントさん:そうそう、みなさんとても親切なんですよ。わからないことはすぐに聞くようにしているんですが、作業中でも先輩たちは嫌な顔をせずに教えてくれるんです。バングラデシュでも「日本人は優しくて、親切に教えてくれる」とよく聞いていましたが、実際にそのとおりで、感激しました。──職場の人間関係がとても良さそうですね。ズイさん:すごく良いですよ。先輩も後輩もみなさんとても優しくて、コミュニケーションも取りやすく、雰囲気の良い職場だと感じています。やっぱり仕事をするうえで、周りのスタッフとの関係性が一番大事だと思っています。例えば、高い給料をもらえても、人間関係が良くないと長く働くことはできないですよね。オントさん:私も職場の雰囲気の良さをすごく感じています。先輩も同僚も、外国人だとか日本人だとか関係なく、一緒に仲間として接してくれるんです。一体感があって、とても働きやすいと感じます。──仕事外での交流もあるのですか?ズイさん:そうですね。業務中もよく話をしますし、仕事終わりに食事に行くことも多いですよ。みんなでお店の候補を出し合って、多数決で決めたりして。交流を深める目的で開催されている、年に一度の研修旅行も楽しみにしています。オントさん:私も休みの日に、一緒に食事に行ったり遊びに行ったりしています。その時は、先輩・後輩の関係や年齢差を感じることなく、みんなで一緒に楽しんでいます。この前も白浜にみんなで行きましたし、夏休みに入ったら、上司や同僚たちと一緒にまた海に行く予定もあるんです。和歌山県は母国と似ている。地元の人の優しさにも触れることができ、すごく暮らしやすい場所だと思います──働くにあたって、会社からどんなサポートを受けましたか?ズイさん:日本で生活するにあたって、会社が色々サポートしてくれますね。私は今自分で家を借りて住んでいますが、希望すれば社宅に住むこともできます。運転免許を取得する時や住居を借りる時も、会社が相談に乗ってくれるので本当に助かっています。あと、外国人スタッフも多くいるので、外国人ならではの相談もしやすい環境だと思います。私自身も、後輩たちの手助けをしたりしていますしね。オントさん:日本に来たばかりのころは、市役所での手続きやマイナンバーカードのことがわかりませんでしたが、会社の先輩や上司が丁寧にサポートして教えてくれました。健康保険や年金などの大事なことは会社から教えてくれましたし、自分から積極的に質問をすればみなさん親切に教えてくれています。──日本での生活についてですが、実際に住んでみてどう感じていますか?ズイさん:まず一番に感じるのは、安全な国だということですね。法律も整っていて、身の危険を感じることなく安心して生活できます。スーパーやドラッグストア、飲食店なども多く、生活は便利です。また、自動車があれば行動範囲が広がり、楽しみも増えると思います。オントさん:私も、一番に安全さを感じますね。日本はどこよりも安心して暮らせる国だと思います。生活の面では、最初は言葉がわからず色々と困ることが多かったですが、わからないことがあればすぐに周りの人に聞けば助けてくれるので、そこまで不安に思うことはなくなりました。──和歌山県という地域については、どのような印象がありますか?ズイさん:和歌山県は自然の中で遊べる場所がたくさんあるのが良いですね。白浜の海で海水浴ができたり、温泉が多かったりするのが魅力です。特に温泉は、先輩たちと一緒によく行っています。妻も誘って、職場のみんなと私の家族で一緒に行ったりもしていました。オントさん:山が多く、近くに海もあり、とても景色が綺麗です。そこが和歌山県の一番良いところだと思います。休みの日は時間があれば、色々なところに出かけて遊んでいますよ。私はバングラデシュの田舎で育ったのですが、和歌山県の雰囲気は地元の雰囲気に似ていて住みやすく感じますね。──食生活についてはいかがですか?ズイさん:食事に関しては問題に感じたことはないですね。日本の料理は美味しいですし、宗教的にも食べられないものが少ないというのも理由の1つです。私は今妻と一緒に暮らしているのですが、どちらか早く帰った方が料理を作るようにしていますね。ベトナム料理も作りますし、唐揚げや味噌汁などの日本料理もよく作ります。近くのスーパーで簡単に好きな食材が手に入るので助かっています。オントさん:最初は豚肉料理など慣れない味もありましたが、今は慣れて、ラーメンや焼き飯、天ぷら、焼肉など、好きな料理も増えました。母国の料理も自分で作って食べたりしていますよ。日本でもバングラデシュの食材と似た食材が手に入るので、バングラデシュの料理も作れるんです。よく作るのはビリヤニ(バングラデシュの炒飯)ですね。ビリヤニが一番好きな料理なんですが、日本のレストランではなかなか母国と同じ味のビリヤニはないんですよね。──それでは、お二人の今後の目標について教えてください。ズイさん:今年はスズキ技能資格制度の「スズキサービス1級」を受ける予定で、今勉強中です。1級は学科試験と実技試験のほかに、日本語での電話対応の試験などがあって、よりレベルが高いです。敬語を用いた丁寧な対応も求められるので、日本人でも合格するのは難しい試験だと思います。仕事と勉強の両立はなかなか難しいですが、資格をとって仕事の幅をもっと広げていきたいと思っています。オントさん:私は、やっぱり自動車に関係する仕事を続けたいですね。まだまだ知らないことばかりなので、家に帰ってからも自動車の勉強をしています。将来的には、自分で自動車関係の会社を作りたいですね。会社を作るにはお金も必要なので、今は貯金も頑張っています。──最後に、これから日本で働こうとしている外国人のみなさまに向けて、アドバイスをお願いします。ズイさん:やっぱり、日本語の勉強を日本に来る前にしっかりしておくのがとても大切だと思います。日本語の基礎があるだけで、成長の仕方が大きく変わってくると思うので。それと、日本語を話す時は、間違っても良いので自信を持って話すことが大切です。間違えたとしても、周りの人が優しく直してくれますし。自信がないと話すことすらできなくなってしまい、日本語も上手にならないですよね。あとは、時間がある時にテレビやFacebookなどを使って、日本の文化や生活の情報を事前に調べておくのも良いと思います。オントさん:私も、日本で働きたいと思うなら日本語をしっかり勉強することが一番大事だと思いますね。日本人は外国語があまり得意ではない人が多いので、日本語をしっかり話せると仕事もしやすくなります。最初は確かに難しいですが、基本的な言葉や文法を勉強しておけば、その後からは少しずつ簡単になると思いますよ。お客様にも気に入られ、地元に馴染んでくれているなと感じます最後に、お二人の上司である楠谷さんに、彼らの働きぶりについて話を聞きました。▲企画推進部サービス部 部長の楠谷さん。整備部門の責任者として、収益、環境整備、法令関係等、管理業務を担当。自身も現場に出て業務に取り組むこともあるそう。楠谷さん: ズイさんは活発で、思い切りが良いタイプ。仕事にも前向きに取り組んでくれています。一方、オントさんは大人しくてコツコツ取り組むタイプ。自分から意見を発信することは少ないですが、すごく真面目に働いてくれていますね。ズイさんは二級ガソリン自動車整備士の資格も持っており、長く勤務していることもあって、お客様とも直接対応しています。日本語がうまく伝わらないシーンがあっても、「頑張ってるね」と温かく見守ってくださる方が多いので、ありがたいですね。ズイさんを気に入ってくれているお客様もいて、すごくよく馴染んでいるなと思っています。オントさんはまだ日本語の習得中で、お客様と接する機会は少ないです。お客様に対して整備の説明などができるようになるのが次のステップですね。今後二人に期待したいところは、整備技術のさらなる向上と接客対応力の習得です。ズイさんは資格取得に向けて頑張っていますし、オントさんは整備の基礎をしっかり学んでいます。日本語での丁寧な接客や苦情対応はハードルが高いですが、少しずつ身につけていってほしいですね。※本記事の内容は、取材実施時点(2025年7月)での情報となります。取材協力:株式会社スズキモーター和歌山© Wakayama Tourism Federation